予防医療

 動物の医療も人間と同様に、予防は最大の治療であり、例え今後どのような高度医療が確立されようとも予防に勝る治療はありません。人の4倍のスピードで年齢を重ね、言葉を話せない動物たちにとっては、人間以上に定期的な健康診断が必要です。

健康診断

 動物たちは人間よりもはるかに早く歳をとっていきます。少しでも長く愛する家族と一緒に過ごしていくためには病気の予防および早期発見が鍵になります。

不妊手術(避妊・去勢)

 避妊・去勢手術は将来の病気を予防するというメリットもあります。大切な家族のために後悔のない選択ができるように、避妊・去勢手術について知識を深めていきましょう。

短頭種における気道拡張術

 鼻ぺちゃが特徴的な短頭種は、鼻や喉、気管などの空気の通り道(気道)に問題を抱えていることが多く、時に命に関わることも珍しくありません。症状が進行する前の手術が最も改善が期待されるため、予防手術も検討しましょう。

予防的胃固定術

 胃拡張胃捻転症候群は胸が縦に深い犬種で発症しやすく、重篤な状態で緊急手術が必要とされます。将来的なリスクの軽減を目的とし、予防的な胃腹壁固定術を実施することもできますので、ぜひ一度ご相談ください。

子犬・子猫の社会化

 他の動物や人、見慣れないもの、聞きなれない音など様々なものを受け入れて順応していくことを「社会化」と呼びます。子犬・子猫のうちに経験することが将来の行動や性格に大きな影響を与えます。いろいろな経験をしておきましょう。

歯のメンテナンス

 犬猫の歯垢は人の5倍以上のスピードで歯石に変わります。放置された歯垢は3日以内に歯石となり、2週間以内に歯周炎を引き起こします。歯周病についての知識を深め、日々のはみがきやデンタルケアの必要性を理解しましょう。

マイクロチップ挿入

 2022年6月1日より、ペットショップやブリーダーなどが販売する犬猫にはマイクロチップの装着が必須となりました。自宅で生まれたり、譲り受けたりした場合も装着してあげましょう。当院においてもマイクロチップの装着をすることが可能です。

狂犬病ワクチン

 狂犬病予防法では、犬の飼い主に登録・狂犬病予防注射の実施と、犬鑑札・注射済票の装着を義務付けています。狂犬病予防注射を多くの犬がすることで、万が一狂犬病が国内に侵入したとしても、国内での犬を介した狂犬病のまん延を防ぐことができます。

混合ワクチン

 ワクチンを接種すると、発症や重症化を予防する効果や、他への感染の拡大を防いだりする効果が期待されます。抗体価検査により不要なワクチン接種を防ぐとともに、適切なワクチン接種時期を見極めます。

フィラリア予防

 フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊が寄生虫を媒介することによって引き起こされる感染症です。そのため、蚊が出始める4月頃から駆虫薬を飲み始め、発症を予防していく必要があります。

ノミダニ寄生虫予防

 ノミダニ寄生虫は宿主の健康を害するだけでなく、命を脅かすような病気を媒介することが知られています。動物たちとご家族が共に健やかな生活を送れるよう、定期的な予防・駆虫を行いましょう。