はみがきレッスン

犬猫の歯周病

　３歳以上の犬猫の80%以上、超小型犬に関しては1歳以上の90%が歯周病等の口腔内疾患を発症しているといわれています。歯周病とは、歯周病菌が口腔内で増殖し、歯垢（歯の表面で繁殖した菌の塊：プラーク）、歯石（歯垢が唾液中のミネラルと混ざって石灰化して硬くなったもの）が蓄積することが原因として引き起こされる病気です。

歯周病予防と治療の重要性

　犬は3日～5日、猫は1週間で歯垢が歯石に変化します。徐々に歯周病・歯槽膿漏へと進行し、歯の周りの骨（歯槽骨）を融かすことで下顎の骨折、根尖膿瘍、口腔鼻腔瘻管などの根尖病巣などのリスクや、口腔内細菌が全身に広がり重篤化する危険性もあります。

　歯垢は自宅でのはみがきで除去することができますが、歯石に変化すると動物病院での麻酔下での歯石除去が必要になります。しかし、毎日のはみがきを自宅で行っていても、完全に歯垢・歯石が付着しないというわけではなく、徐々に付着して歯周病は少しずつ進行してしまいます。そのため、自宅でのはみがきに加え、定期的な麻酔下での歯石除去が推奨されています。

ホームケアの重要性

　自宅でのはみがきケアの目的は、歯垢や歯石が付着するまでの期間を延ばし、歯周病の進行を少しでも緩やかにすることです。
　家族である愛犬の歯を守るためには、ワンちゃん自身がはみがきに慣れる必要がありますが、それ以上にご家族様が必要性やケアの方法について正しい知識を持ち、はみがきを習慣化し、継続することが大切です。
　「はみがきを行ったことがない」、「苦手」、「もっと上手になりたい」など、どのような場合でもまずはご相談ください。

個別はみがきレッスン

　はみがきを行っていく上で知っておいてほしい口腔内のお話と、個々の性格に合わせたはみがき方法をご提案します。

※当院で歯科治療を受けられた方は、治療後１か月以内は無料で個別カウンセリングを受けることができます

はみがきデイリーケア

　ご自宅ではみがきが難しい方、しっかりとケアを行いたい方のために、当院看護師がはみがきを行います。最低週に１回以上が推奨されます。病院でのケアを加えることにより『口腔内のキレイ』を一緒に保ちましょう。

◎当院ではおおよそ１年に１回の定期的な歯石除去を推奨しております。
◎既に重度の歯周病が認められる場合には、治療と併せての歯石除去をご提案させていただきます。