動物の健康診断をするメリット

 動物たちは人間よりもはるかに早く歳をとっていきます。少しでも長く愛する家族と一緒に過ごしていくためには病気の予防および早期発見が鍵になります。しかし、言葉を話せない動物たちの病気を早期に見つけることは難しく、症状に気づいたころには病気がかなり進行しているケースが少なくありません。
 したがって、一見、健康に見えたとしても定期的に健康診断を行うことで、病気を早期に発見できる可能性が高まります。また、仮に健康診断で検査結果に異常が認められなくても、健康な時の検査結果は、病気になった時の検査結果の解釈の一助となります。

検査内容

 動物種、年齢などを鑑み、個々の状態に応じて検査内容をカスタマイズしています。当院で行っている検査項目の一例は以下となります。

  • フィジカルイグザミネーション(触診・聴診など)
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 便検査
  • 心電図検査
  • 血圧検査
  • レントゲン検査
  • 超音波(エコー)検査
  • CT検査
  • 内視鏡検査
  • がん検診

     一般的に、がんはある程度進行しないと血液検査上の異常がでないので、がん検診では画像検査が特に重要です。中でもCT検査は精度が高く、3Dで動物を撮影すること、造影剤を使用することにより、小さな病巣まで見つけることが出来ます。ただし、動物の場合、CT検査には麻酔(鎮静)が必要になるため、事前に全身状態の検査を行い麻酔リスクの評価を行います。
     全身麻酔に抵抗のある場合でもレントゲン検査や超音波(エコー)検査などで大きな異常がないことを定期的に確認することはとても大切です。

    健康診断の頻度

     若いうちは年に1回程度、シニア期(7歳以降)になってからは年に2回、健康診断をうけることをお勧めしています。

    健康診断の流れ

     ご予約の際に健康診断を希望する旨をお申しつけください。検査内容によっては朝ごはんを抜いてご来院いただく場合があります。また、内容により検査時間が異なりますのでお時間に余裕のある日にご予約をお願いします。
     当院では血液検査を含め、ほとんどの検査結果を即日お伝えすることが可能です。

    実際の症例

    アメリカンショートヘア 14歳 避妊雌
     大きな病気をしたことのない元気な猫ちゃんでしたが、年に1回の健康診断で肺癌がみつかりました。CT検査では転移が認められず、単一の癌であることが確認できたので、摘出手術を行い、病理検査で肺腺癌と診断されました。現時点で術後1年が経過していますが、再発も認められず元気に過ごしています。