前十字靭帯断裂
TPLOで整復した前十字靭帯断裂の小型犬
診断
症例
MIX (マルチーズ×トイプードル) 4歳 雄
稟告
ソファから転落して右後肢拳上。
身体検査
左右後肢Cranial Drawer Sign(+)、右後肢過伸展時疼痛(+)
経過
上記主訴にて当院受診。
身体検査、レントゲン撮影にて、左後肢の前十字靭帯完全断裂、右後肢の前十字靭帯部分断裂と診断。基礎疾患としての副腎皮質機能亢進症に関する検査を行ったところ除外されたため、右後肢の完全断裂に対してTPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)を適応。術前に33°であった脛骨高平部の後方傾斜角度(Tibial plateau angle: TPA)を4.3°に矯正し、脛骨の前方への引き出しを抑えた。以後順調に回復し、術後3週間には完全な負重が得られた。また、Nutrition120%であったためダイエットを開始した。
術後良好な経過を得られたが、半年後にドックランから帰宅後、左後肢を跛行。左後肢の前十字靭帯完全断裂をみとめ、左後肢においてもTPLOを行った。その際右後肢の抜プレートも同時に行い、左後肢に関してはさらに半年後に抜プレートを行った。現在、両後肢において跛行の再発もなく良好に経過中。
右後肢術前 |
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右後肢術直後 |
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術後3ヶ月 |
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左後肢術前 |
左後肢術後 |