症例紹介

極小若齢犬橈尺骨骨折

診断

右前肢橈尺骨近位横骨折

症例

ティーカッププードル 4ヵ月齢 体重820g 雌

稟告

ソファから飛び降りて、右前肢挙上。

術式

プレーティング法
(1.0㎜マイクロダイナミックコンプレッションプレート)

経過

術後5日後、歩様正常化。
プレート抜去は行わず。良好に経過。

術前レントゲン画像

【術前レントゲン画像】

 橈骨骨幹部近位、尺骨骨幹部中央に骨折が認められる。プレート固定を行う橈骨の厚みは2.4㎜、幅3.7㎜であった。

術中肉眼所見

【術中肉眼所見】

 骨折線が肘関節に近接している為、骨幹部と比較して露出が容易ではない。

術中肉眼所見

【術中肉眼所見】

 極小若齢犬は骨の矮小さに加えて骨質も軟らかい。固定に使用したマイクロスクリュー(外径1.0㎜、谷径0.8㎜)は特にルーズニングを起こしやすい。橈骨とほぼ同じ長さのプレートを支持プレートとして固定に用いた。

術後レントゲン画像

【術後レントゲン画像】

 最近位のスクリューは尺骨と干渉する可能性がある為に、敢えて骨質を貫通させていない。

術後1年後のレントゲン画像

【術後1年後のレントゲン画像】

 骨長の成長、尺骨骨折部位で橈骨との癒合、尺骨遠位の骨萎縮が認められる。機能的には問題はない。

病気・症例紹介