現代のペット平均寿命
現代のワンちゃん、ネコちゃんの平均寿命をご存知ですか?ひと昔前までは8歳に満たない平均寿命でしたが、現在では約14歳まで延びています。
この寿命の延びには、適切な飼育方法や医療の進歩、食事の質の向上などが寄与しています。事実、当院では15歳から18歳の高齢ワンちゃんやネコちゃんの診療も多く、ご自宅での様々なケアの大変さを耳にする機会も増えてきました。高齢になると、食事や排泄、散歩など普段当たり前に行っていたことが徐々にできなくなり、サポートが必要になることがあります。
自宅での介護
自宅での介護においてよく耳にする悩みは、食事を与える事の大変さ、認知機能障害(認知症)による夜鳴き、昼夜逆転による生活バランスの乱れなどです。年齢を重ねるに散れてサポートすべき内容も変わり、生活するうえで様々な注意が必要になっていきます。
① 食事
食事に関する注意点の1つが【誤嚥】です。
嚥下機能の低下により、食事が誤って気道に入ってしまうと窒息や誤嚥性肺炎のリスクがあります。自力で食事を摂れないハイシニア動物のご家族には、色々な工夫をしながら食事サポートをされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。事故を防ぐためには、食事の与え方やそのペース、しっかり飲み込めているかの確認などが重要です。
② 認知症とそのケア
認知症が進むと、夜鳴きや昼夜逆転などの症状が現れることがあります。適切な休息を得るために、睡眠をサポートするサプリメントや薬剤を使用し、動物たち自身の心のケアを行うことが重要です。これにより、ご家族の負担も軽減できます。
また、寝たきりの場合は褥瘡(床ずれ)を予防するためのケアが必要です。筋肉量の減少により骨盤や肩などに負担がかかり、褥瘡ができやすくなります。予防のためには、長時間同じ姿勢を保たないようこまめな体位変換が必要です。さらに、負荷を分散するための褥瘡防止マットの使用も推奨されます。